水産庁に一般職(当時でいう2種)の水産技官(技術職)枠に合格した際に、私が行った対策や対策を始めた時期、勉強のコツなどをご紹介したいと思います。
試験を受けたのが8年ほど前なので少し前の情報にはなりますが、現行の試験にも活用できる情報もあると思いますので、この記事を読んでくださる皆様に少しでも受験の際の参考になれば嬉しいです!
(こちらでの試験や発表の日程は2024年の情報となっています!)
目次
総合職と一般職の違いは?
一般的に仕事内容の違いとして言われているのが、 総合職は将来の幹部候補として各種施策の企画立案や国会対応といった行政の根幹にかかわる仕事に従事し、一般職は出先機関などの現場で窓口対応を含む定型的な業務に従事する。 国家総合職が作った政策を国家一般職が実行するような関係性と言われることがあります。
「そんなに業務の重要性が違うのか!やりがいのある面白そうな仕事ができそうだから総合職の方がいいじゃん!」
と受験前の私はそう思っていました。
ただ、実際採用されて業務を始めてみると、なんと総合職と一般職で同じような業務をしているではありませんか、、!
一般職でも国会対応はありましたし、総合職でもルーティーンワークをこなしている方もいらっしゃいました。
ただ、総合職の方の方が残業が多いハードな部署に就く方が多かったような気がします。。
総合職・一般職向けのポストがあるかといえば多くはないと思います。それよりも技官(専門職)か事務官(事務職)かでポストが分かれることの方が多かった印象です。
室長以上になってくると、総合職の方が圧倒的に出世しやすいというのはあるかもしれません。
一般職で課長や部長になる方は稀だと思います。
なので、水産庁の受験を考えている方や、総合職の試験に落ちてしまった人は、是非一般職も前向きに検討する価値が十分にあると思います。
なんなら個人的には総合職より一般職になって良かったと思っています。
なぜなら、全国転勤が少ない(私は少ない方ですが、7年務めて一度も地方転勤がありませんでした!)上に、残業も少なかったので、QOL(生活の質)が結構高かったと思います。
いろんなところに転勤してみたい方は是非総合職をお勧めしますが、家庭を持ってからの転勤も考慮に入れておくといいと思います。
試験概要
⚪︎国家公務員総合職試験
申込期間 | 【インターネット申込】 2月5日(月)~2月26日(月) |
1次試験 | 3月17日(日) 9:10(受付開始) 9:40(試験開始)~17:00(試験終了) |
1次試験合格発表 | 4月1日(月)9:00 |
2次試験 | ◆筆記試験 →4月14日(日)・・・院卒/大卒共通 【院卒者試験(法務区分を除く)】 9:00(受付開始) 9:30(試験開始)~13:30(試験終了) 【大卒程度試験】 9:00(受付開始) 9:30(試験開始)~17:00(試験終了) ◆政策課題討議 人物試験(院卒者) →4月30日(火)~5月15日(水) ◆人物試験(大卒程度) →4月22日(月)~5月15日(水) |
最終合格発表 | 5月28日(火) 16:00(※5年間有効) |
⚪︎総合職官庁訪問
官庁訪問開始日 | 6月12日(水)8:30 ※事前予約制(6/3(月)9:00~6/11(火)17:00) |
第1クール | 6月12日(水)~6月14日(金)※3日間 ※同一省庁への訪問は3日に1回(翌日・翌々日の訪問不可) |
第2クール | 6月17日(月)~6月19日(水)※3日間 ※同一省庁への訪問は3日に1回(翌日・翌々日の訪問不可) |
リセット | |
第3クール | 6月20日(木)~6月21日(金)※2日間 ※同一省庁への訪問は2日に1回(翌日の訪問不可) |
リセット | |
第4クール | 6月24日(月)※1日間 |
内々定解禁 | 6月24日(月)※17時以降 |
⚪︎国家公務員一般職試験(大卒程度)
申込期間 | 【インターネット申込】 2月22日(木)~3月25日(月)〔受信有効〕 |
1次試験 | 6月2日(日) 8:40(受付開始) 9:10(試験開始)~16:50(試験終了) |
1次試験合格発表 | 6月26日(水)9:00 |
2次試験 | ◆人物試験 7月10日(水)~7月26日(金) |
最終合格発表 | 8月13日(火)9:00 |
⚪︎一般職官庁訪問
予約受付開始日 | 6月26日(水) 9:00~ |
官庁訪問開始日 | 7月2日(火) 9:00~ (7月10日(水)~7月28日(日)は官庁訪問禁止) |
内々定解禁日 | 8月13日(火) 9:00~ |
試験勉強を始めるタイミング
ネットで調べたところ、試験開始の半年ほど前から勉強を開始する方が多いような印象でした。私は3ヶ月前から始めたのですが、教養試験の範囲も広く、専門試験も範囲が明確に決まっているわけではないので、時間があれば半年くらいは勉強したほうが良いかもしれませんね。
ただ水産系の大学であれば、授業で勉強したことも専門試験で多いに活かせるチャンスがあると思います。
国家公務員試験(1次試験)対策
1次試験では数的推理の配点が一番高かったので、数的推理を中心に過去問を解いていきました。
といっても過去問集の数的推理を1周する事もできず、イメージを掴むといった感じでした。
どんなに得意な科目があっても、配点が少なければ勿体無いですよね。
なので、特に得意な科目がない場合は、試験の配点の割合に合わせて勉強量の割合を決めていくのが良いのではないかと思います。
例えば私は、数的推理や政治経済が苦手だったのですが、どちらも頑張るのではなく、政治経済などは捨てて(ほぼノー勉!)数的推理に時間を割いていました。
配点が少ない科目は捨てる勇気も必要だと思いますよ。全てを勉強したくなる気持ちは分かります(私もそうでした)。ただ全部やろうとすると、半年あっても時間は足りないのです。
私は数的推理を中心にやったのですが、暗記でなんとかなる科目ではないため、グンと点数が伸びてはいないと思うのですが、考えすぎて時間をロスしてしまう感覚を養うことはできたかと思います。
苦手な科目ほど時間を使ってしまう方も多いかと思いますが、時間管理は一番大事ですからね。割り切って次の問題に進む練習も大事かと思います。
官庁訪問対策
私は水産庁が個別で募集している技官の枠に応募したため、面接の日時は決まっていました。
面接は割と苦手ではない方だったと思うのですが、流石に当日はかなり緊張しました。
電車の中で史上最大級の腹痛に襲われ、薬を飲んだのですが逆に腹痛の勢いがさらに増し、途中の駅で下車にトイレに40分ほど閉じこもらざるを得ない状況に見舞われました。。
当時はほぼ面接には間に合わないだろうと半分諦めていましたが、一応行くだけ行ってみようと思い向かったところ、2〜3分遅れたかもしれませんが、試験を受けることができました。
面接は驚くべきことに7人ほど面接官がいて、次々に質問をしてくる感じでした。
どんな研究をしているか聞かれたので、魚の資源評価をしていると話したところ、「その魚は美味しいの?」と聞かれ、一瞬ポカンとしてしまいました。笑
そのほかには大学で頑張ったことなど、一般的なことを聞かれました。
もちろん面接官には水産技官や魚好きもいらっしゃったとは思いますが、あくまでジェネラルな質問が多かったと思います。
面接対策としてお勧めしたいのは2つあります。
1つは、聞かれそうなこと(志望動機や自己PRなど)とそれへの答えを事前に文章に書いて記憶しておくことです。
文章全てを記憶するのではなく、キーワードのみを記憶すれば細かい部分はその場で話せると思うので大丈夫ですよ。
意外と文章に起こしていない方もいるかと思いますが、面接を重ねるにつれ、質問と回答のパターンも増えてくると思うので、どんどん書き残していきましょう!
2つ目は、熱意を示すこと。採用側からすれば一番怖いことは、採用してもきてもらえないのではないか?途中で辞めてしまうのではないか?(私も途中退職したのですが、、、)ということです。それ以外は、どんな人が採用されようと、仕事の種類が多いので適材適所でカバーできますが、辞めてしまうとまた採用し直さなければなりませんよね。
なので、どうして他の省庁ではなく水産庁がいいのか、水産庁でどんな仕事に興味があるのか(実際は希望の配属にはなかなかなれませんが、、)、面接の最後に深々とお辞儀をする(簡単にできてやる人が少ないと思われる上に面接官の印象に残るのでお勧めです)など、定年までどんな大変な仕事だろうと乗り越えて務め続けたいという熱意を伝える事も効果的かと思います。
水産庁筆記試験(2次試験)対策
専門試験は試験項目の中で一番配点が高い試験です。なので1次試験よりも時間をかけてもいいかもしれません。
水産の科目を受ける場合、大学で水産系の学部に通っている人には大きなアドバンテージになります。
なので、学校での授業を真面目に受けることをまずお勧めします。
試験対策として使った教材としては、
- 水産白書
- 水産ハンドブック
の2冊だけです。ネットで調べても友達に聞いてみてもこの2冊で勉強している声があったので、こちらを使用していました。
大学でたまたま使用していたというのもあります。どちらの本もとてもお勧めです!
マクロな部分は水産白書で、ミクロな部分は水産ハンドブックでカバーするイメージで使っていました。
水産庁は過去問をまず一通り解いて、やはり水産行政を行う省庁なのでマクロな問題が出ていると思ったので、水産ハンドブックに書いてある情報をできるけ正確に覚えようと努めました。
例えば資源量の推移やマグロの分布や管理機構など、そういった感じです。
逆にミクロな部分、例えば魚病の病名とその特徴などはノータッチで臨みました。
どんな傾向があるかは過去問を見れば一目瞭然なので、ぜひ一度ご確認ください。
割とオーソドックスな問題が多いと思うので、傾向に沿った勉強をしていれば6〜7割は狙えるのではと思いますよ!
あとは近年話題になっている事柄も問題になりやすいみたいなので、ニュースなどで話題になっていることがあったら深掘りする癖をつけておくといいかもしれません。当ブログでも水産のニュースを扱っているので、よかったらぜひ参考にされてみてくださいね!
受かっていた人の出身大学
試験に受かっていた同期には技官と事務官がいました。
技官は水産学部出身の方が多かったです。京大、北大、海洋大、水産大、長大などの出身者がいました。
東大京大が多いというイメージがある方もいらっしゃると思いますが、水産庁はそんなことはありません。
地方国立が多いイメージでした。
一方事務官は法学部出身の方もいれば、日本大学の方、高等専門学校の方も多くいらっしゃいました。
19歳で採用の方もいて、すごいなと思いました、、!
日本大学は私の採用時は7名に採用を出していたみたいで(うち5名は辞退したそうですが)、あまり大学の偏差値を気にする必要はなく、勉強をしてきたか、仕事をこなせそうかといった視点で審査されているのだと思いました。
終わりに
当時内々定を受けた時は研究室にいたのですが、突然知らない電話番号から電話がかかってきたので、警戒しながら電話に出たところ、人事の方からの電話で、本当に嬉しかったのを覚えています。
内々定をもらえると、自分を認めてくれたという気持ちになるので、本当に嬉しいですよね。
これから受験の方も焦ることなくご自身にできることを一つ一つ積み上げていけばきっといい未来が待っているはずです!
最後まで諦めず頑張ってくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。