※上記写真はイメージです。
NTTの子会社であるNTTグリーン&フード株式会社が、関西電力の子会社である海幸ゆきのや合同会社の全持分を譲り受けました。
この取引により、海幸ゆきのやは8月1日よりNTTグリーン&フードの子会社となりました。
目次
NTTグリーン&フードの事業展開
NTTグリーン&フードは、2023年7月にNTTと京都大学発の水産ベンチャーであるリージョナルフィッシュ株式会社の合弁会社として事業を開始しました。
事業理念は「自然の恵みを技術で活かし、地球と食の未来をデザインする」とのことで、地域との連携を強化・拡大し、陸上養殖施設を拡充してきました。
2024年度には、静岡県磐田市の陸上養殖施設で、希少な国産種苗を用いたバナメイエビの完全国内生産を開始します。
海幸ゆきのやの事業展開
一方、海幸ゆきのやは、NTTグリーン&フードが陸上養殖施設の建設を進める磐田市に拠点を置き、関西電力グループのDX技術を活用し、環境負荷低減ができる完全閉鎖循環式の陸上養殖を行なっており、国内で「幸(ゆき)えび」の生産を行っています。
幸えびは収穫時に活〆され、隣接する加工場で迅速に滅菌洗浄・真空包装・瞬間凍結の工程を経て商品化されているため、解凍して生食も可能です。
合併によるメリット
今回の合併により、NTTグリーン&フードは生産量において国内最大の養殖エビの陸上養殖施設を有する事業者となります。関西電力グループのDX技術とNTTグループのIoTやAI等技術を組み合わせることにより、陸上養殖のスマート化を加速させることができます。
2社の物理的距離が近いので、それも合併の理由にも考えられそうです。NTTグリーン&フードとしては、2024年からバナメイエビの養殖をスタートしているので、遅くとも2021年から通販を始めている海幸ゆきのやの大きな施設と養殖技術を取得できるは大きなメリットだと考えられます。
海幸ゆきのやとしては、NTTグループのIoTとAI技術を養殖に活用できるようになるメリットがありますね。
またこの合併は、磐田市の産業活性化、雇用創出、地域交流、教育など、地域の発展にも貢献すると考えられます。
SDGsにも貢献できるため、持続可能な社会の実現に貢献でき、企業イメージアップにもつながりますね。
バナメイエビとは?
バナメイエビはもともとメキシコやペルーあたりの沿岸に生息しており、大きくても体長20cmほどの中型サイズのエビです。
飼育密度が高くても大丈夫で病気への耐性もあり、世界中で広く養殖されています。
日本ではインドネシアやベトナムなどの東南アジアで養殖されたものを多く輸入しており、バナメイエビは国内でもっとも流通量の多いエビといわれています。
2018年の財務省貿易統計では、バナメイエビの輸入量は約92%にも上っています。
しかし、海外で養殖されているバナメイエビは、飼育環境の衛生上の理由から生食できないものが多く、バナメイエビも基本的には加熱調理用として販売されている場合が多くなっています。
海外の養殖場の中には飲水できない場所もあると聞いたことがあります。
バナメイエビの国内養殖
国内企業でバナメイエビ養殖に携わっている会社は以下のような企業がヒットしました。
大企業もありますが、ベンチャー企業も多く行なっているようですね。
海が近くなくても養殖が可能なので、多くの企業が行えるということもありそうです。
各社プレスリリース
終わりに
日本のバナメイエビ養殖業界のビッグニュースとなる今回の企業合併。
国内生産拡大のためにも今後の事業展開に期待したいですね。
これからも生で食べられる美味しいバナメイエビを提供し続けて欲しいです。
最後まで閲覧ありがとうございました。