ニュース

ブラジルのサメにコカイン反応!なぜ?

概要

ブラジル沿岸に生息するサメにコカイン汚染が進んでいることが明らかになりました。

今回調査対象となったのは、沿岸部に生息する「ブラジル・シャープノーズ・シャーク(Rhizoprionodon lalandii)」というサメ13匹です。

分析によると、13匹すべてのサンプルからコカインが検出されました。野生のサメの体内からコカインが検出されたのは初めてのことだそうです。

海にコカインが含まれていた理由

海洋へのコカイン流出源は、薬物乱用の増加不十分な下水処理コカイン生産現場海にただようコカインの包みなどだと考えられており、海の生態系ばかりか、それを食べる人間への影響が懸念されています。

いくら海が広いとはいえ、ここまで人間活動の影響が海洋生物に影響を及ぼしていると思うと驚くばかりです。

コカインとは

コカインは、南米原産であるコカの葉から作られた強力な中毒性を持つ精神刺激薬で、脳内のドーパミンの機能に直接干渉する作用があります。ドーパミンは脳内生成物質で、興奮作用に働きかけるため、人はコカインの服用で極度の興奮状態になることもあります。またコカインは依存性も有害性も高い危険な薬物です。

調査対象のサメ

今回調査対象となったのはメジロザメ科のサメで、沿岸地域で一生を過ごす種であるとのことで、人間の活動の影響を受けやすい場所に生息している種であることがわかります。

生物濃縮と人間への影響

魚の体内に蓄積されてしまう有害物質は、界層が高くなるにつれ、体内の濃度が高くなっていきます。例えば有害物質を含む小魚よりも、その小魚を捕食する魚の方が体内の有害物質の濃度は高くなり、その魚を捕食する大型の魚ではまたさらに値が高くなる仕組みを生物濃縮といいます。

今回界層が高いサメにコカインが検出されたということは、そのサメを食べる人間ではさらに体内のコカイン濃度が高くなることも想定されます。また、サメだけでなく他の魚にもコカイン蓄積があればそちらも問題なので、さらなる調査を期待したいですね。

終わりに

人間活動によって海の生物に大きな影響を与えてしまっていることがわかった一方、皮肉なことにその魚を食べる我々の首を絞めることにもなってしまっています。

当該地域はコカインの生産が盛んな地域であるとのことですが、当該地域のサメは全世界で消費されていることも考えると、生産現場には何らかの行政措置が取られて然るべきではないかと思われました。

魚を食べていたら気付かぬうちに薬物中毒になってしまっていた、、、なんて事は何としても避けたいですよね。

最後まで閲覧ありがとうございました。

-ニュース